15.0.20180514
概要
openSUSE Leap はお使いの PC やラップトップ、サーバなどで動作する、 Linux ベースの自由なオペレーティングシステムです。 Web の閲覧や電子メール/写真の管理、オフィス作業やビデオ/音楽の再生などを行なうことができます。お楽しみください!
リリースノートは現在作成中の段階にあります。最新の情報を知るには、 https://ja.opensuse.org/openSUSE:%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88 にあるオンライン版のリリースノートをお読みください。英語版のリリースノートは必要に応じて更新されますが、翻訳版のリリースノートは翻訳が追いつかず、一時的に不完全なものになる場合があります。
openSUSE Leap の旧バージョンからアップグレードした場合は、下記に示す旧バージョンのリリースノートもお読みください: http://ja.opensuse.org/openSUSE:Release_Notes
プロジェクトに関する情報は、 https://www.opensuse.org をご覧ください。
本リリースに対してバグを報告する際は、 openSUSE の提供する Bugzilla をお使いください。詳しくは https://ja.opensuse.org/%E3%83%90%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88 をお読みください。
本章には、インストールに関連する説明が書かれています。アップグレードに関する詳しい手順については、下記で公開されている文書をお読みください: https://doc.opensuse.org/documentation/leap/startup/html/book.opensuse.startup/part.basics.html
最小限のシステムをインストールした場合、下記に示すとおり一般的に必要な機能がインストールされません:
ソフトウエアファイアウオールのフロントエンドがインストールされません。必要であれば、 firewalld パッケージをインストールしてお使いください。
YaST がインストールされません。必要であれば、 patterns-yast-yast2_basis パターンをインストールしてお使いください。
UEFI (Unified Extensible Firmware Interface) を利用して起動するシステムに openSUSE をインストールする場合、事前に製造元が推奨するファームウエア更新を必ずチェックし、可能であればインストールしておくことを強くお勧めします。 Windows 8 もしくはそれ以降のバージョンがプレインストールされているマシンの場合、お使いのシステムが UEFI である可能性が高いものと思われます。
背景 UEFI のファームウエアによっては、 UEFI のストレージ領域に多くのデータが書き込まれることで、起動に失敗してしまうバグを抱えています。もちろんこれはバグであるため、どれだけ 「多くの」 データを書き込むことで問題を発生させるのかは、誰にもわかりません。
openSUSE では、 OS
を起動するのに最低限必要となるデータ (UEFI
に対して、 openSUSE
のブートローダの場所を示すための情報)
しか書き込まないようにすることで、このバグの発生を最小化しています。
Linux カーネルのオリジナル版では、 UEFI
のストレージ領域に起動やクラッシュに関する情報を書き込む機能
(pstore
)
がありますが、既定では無効化しています。ただし、バグである都合上、ハードウエアの製造元が推奨するファームウエア更新については、必ずインストールしておくことをお勧めします。
EFI/UEFI の仕様には、新しい形式のパーティションテーブル GPT (GUID パーティションテーブル) が定義されています。この新しい方式では、ユニークな GUID (識別子; 32 桁の 16 進数で表わされる 128 ビットの値) を利用してデバイスとパーティション種別を識別します。
これに加えて、 UEFI の仕様では古い MBR (MS-DOS) 形式のパーティションテーブルにも対応しています。 Linux のブートローダ (ELILO, GRUB 2) では、これらの古い形式のパーティションに対して、自動的に GUID を割り当ててファームウエア内に書き込もうとします。この場合、 GUID は頻繁に変更されてしまうため、ファームウエアへの再書き込みも頻繁に発生することになります。この再書き込みには 2 つの操作、具体的には古い項目の削除と、それを置き換えるための新しい項目の作成が含まれます。
また、新しいファームウエアには、削除された項目を収集して古い項目用に確保したメモリを解放する、ガーベージコレクタ機能が用意されています。ファームウエアに不具合があると、これらの古い項目を収集できなかったり、メモリを解放しなかったりする場合があり、これにより起動が不可能になる場合があります。
このような問題が発生した場合は、古い MBR 形式のパーティションを GPT 形式のパーティションに更新して、問題を回避してください。
openSUSE Leap 15.0 では、 .run
シェルスクリプトアーカイブを利用して手作業で nVidia
ドライバをインストールする場合、あらかじめ
drm-kmp-default
パッケージをアンインストールしておく必要があります:
zypper rm drm-kmp-default
nVidia が提供する RPM をインストールする場合は、このような問題は発生しません。これは、 RPM パッケージが提供するドライバをインストールする際に、自動的に drm-kmp-default が置き換えられるようになっているためです。
なお、後日 nVidia ドライバをアンインストールする場合は、忘れずに drm-kmp-default パッケージをインストールしてください。
詳しくは https://bugzilla.suse.com/show_bug.cgi?id=1044816 をお読みください。
本章には、アップグレードに関する説明が書かれています。詳しいアップグレード手順については、下記で公開されている文書をお読みください: https://doc.opensuse.org/documentation/leap/startup/html/book.opensuse.startup/cha.update.osuse.html
このほか、 「パッケージの変更について」 についてもご覧ください。
openSUSE Leap 15.0 で同梱されるようになったバージョン 3.2 では、 Postfix Admin (postfixadmin パッケージ) は、新しく後方互換性のないディレクトリレイアウトを使用するようになっています。
設定ファイルが /etc/postfixadmin
に移動されています。
PHP コードが /usr/share/postfixadmin
に移動されています。
Smarty キャッシュが /var/cache/postfixadmin
に移動されています。
Postfix Admin は、従来のディレクトリの設定を読み込むことは行なっておらず、自動での設定移行も行なっていません。そのため、下記の手順で設定を移行する必要があります:
config.local.php
を
/srv/www/htdocs/postfixadmin
から
/etc/postfixadmin
に移動します。
config.inc.php
をカスタマイズしている場合は、カスタマイズしている項目を
/etc/postfixadmin/config.local.php
で設定しなおします。なお、
config.inc.php
はそのまま変更せず残しておくことをお勧めします。
Apache 側の設定では、 /postfixadmin
の別名定義 (エイリアス)
を追加するか、有効にします:
全ての仮想ホストに対して別名定義を有効化するには、下記のように実行します:
a2enflag POSTFIXADMIN && rcapache2 restart
特定の仮想ホストに対してのみ別名定義を有効にするには、対象の仮想ホストの設定内に、別名定義を設定してください。
本章では、 openSUSE Leap 15.0 のデスクトップ関連の問題や変更点を説明しています。
KDE Plasma Wayland セッションは、プロプライエタリ版の nVidia ドライバでサポートしていません。 KDE をお使いの場合で、プロプライエタリ版の nVidia ドライバをお使いの場合は、 X セッションのままお使いください。
openSUSE の以前のバージョンでは、通常のキーボードレイアウトに含まれていない文字を入力するため、修飾キーの設定が行なわれていました。たとえば 「å」 を入力したい場合、 Shift+右 Ctrl を押して離したあと、 a を 2 回押すことで実現できていました。
openSUSE Leap 15.0 では、 Shift+右 Ctrl が期待通りに動作しなくなっているため、修飾キーの組み合わせ設定が行なわれていません。
システム全体に対して修飾キーの組み合わせを設定するには、
/etc/X11/Xmodmap
ファイルを開いて、まずは下記のような行を探します:
[...] !! Third example: Change right Control key to Compose key. !! To do Compose Character, press this key and afterwards two !! characters (e.g. `a' and `^' to get 342). !remove Control = Control_R !keysym Control_R = Multi_key !add Control = Control_R [...]
上記の例でコメントアウトを元に戻すには、行頭の
!
文字を削除します。ただし、
setxkbmap をお使いの場合は、
Xmodmap
の設定が上書きされ、元に戻ってしまうことに注意してください。
ユーザ固有の修飾キー設定を行ないたい場合は、お使いのデスクトップに対応するキーボード設定ツールをお使いいただくか、コマンドラインツールである setxkbmap をお使いください:
setxkbmap[...]
-option compose:COMPOSE_KEY
COMPOSE_KEY
の値には、たとえば下記のようなものを設定することができます:
ralt
, lwin
,
rwin
, menu
,
rctl
, caps
。
このほか、修飾キーを利用せずに文字を入力する方法として、 (日本語変換と同様に) IBus 入力メソッドを利用する方法もあります。
従来のバージョンでは、 /etc/sysconfig
か
YaST モジュールの
を利用することで、ログインマネージャとデスクトップセッションを設定していました。
openSUSE Leap 15.0 では、これらの設定は
/etc/sysconfig
ではなく、 alternatives
システムを利用して設定するようになりました。
既定値を変更するには、下記の alternatives をお使いください:
ログインマネージャ: default-displaymanager
Wayland セッション:
default-waylandsession.desktop
X デスクトップセッション:
default-xsession.desktop
たとえば default-displaymanager
の設定を表示したい場合は、下記のように実行します:
sudo update-alternatives --display default-displaymanager
default-displaymanager
を xdm
に切り替えるには、下記のように実行します:
sudo update-alternatives --set default-displaymanager \ /usr/lib/X11/displaymanagers/xdm
alternatives をグラフィカルに管理したい場合は、 YaST モジュールの yast2-alternatives パッケージをインストールしてください。
をお使いいただくことができます。このモジュールをインストールするには、SDDM や LightDM など、 GDM 以外のログインマネージャを利用してログインし、 GNOME Shell を利用した場合、画面をブランクにしたりロックしたりすることができなくなってしまいます。また、ログアウトせずにユーザを切り替える機能も、動作しなくなってしまいます。
GNOME Shell で画面をロックできるようにするには、下記のようにしてログインマネージャを GDM に切り替えます:
まずは gdm パッケージがインストールされていることを確認します。
次に YaST を開いて、
を開きます。+ + を選択します。
表示されたテキストボックスに gdm
と入力します。保存を行なうため、
を押します。
最後にシステムを再起動してください。
KDE の既定のログインマネージャである SDDM
は、既定では高 DPI
ディスプレイ環境において、正しい縮尺での表示が行なわれません。お使いのコンピュータが高
DPI ディスプレイの環境である場合は、設定ファイル
/etc/sddm.conf
内に設定を行なうことで、自動で縮尺を設定させることができます:
[XDisplay]
ServerArguments=-dpi DPI_設定
EnableHiDPI=true
なお、 DPI_設定
の箇所には、設定したい DPI 値 (例: 192
)
を指定してください。最適な縮尺で表示したい場合は、既定の
96 DPI の整数倍の値を指定してお使いください。
既定では、 YaST は高 DPI
ディスプレイ環境において、正しい縮尺での表示が行なわれません。お使いのコンピュータが高
DPI
ディスプレイの環境である場合は、起動時に設定を行なうことで
YaST
に自動で縮尺を設定させることができます。これを実施したい場合は、環境変数
QT_AUTO_SCREEN_SCALE_FACTOR=1
を設定してください。
Firefox と Chromium は、ビデオ会議アプリケーションなどの Web ベースツールなどで、画面全体や個別のアプリケーションウインドウを共有することができます。ですが、この機能は Wayland セッションをお使いの場合、どのブラウザでもサポートされていません。
Firefox や Chromium をお使いの場合で、画面共有を利用したい場合は、 X セッションをお使いください。
MP3 メディアファイルを再生するためのコーデックが、標準のリポジトリ内で提供されるようになりました。
このデコーダを、 Rhythmbox または Totem などの gstreamer
ベースのアプリケーションやフレームワークで使用するには、
gstreamer-plugins-ugly
パッケージをインストールしてください。
LibreOffice 5.3
およびそれ以降のバージョンでは、古い形式である
Type-1 フォント (.afm
や
.pfb
などの拡張子のフォントファイル)
には対応しなくなりました。ほとんどのユーザにとって、この変更による影響はありません。なぜなら、現在提供されているフォントの多くは、
TrueType 形式 (.ttf
) や OpenType
(.otf
) 形式のフォントであるためです。
もしもこの問題でお悩みの場合は、古い Type-1 フォントを TrueType などの形式に変換したあと、そのフォントをお使いください。変換は、 openSUSE 内に含まれている FontForge (fontforge パッケージ) で行なうことができます。また、このような変換をスクリプトで実施したい場合は、 https://fontforge.github.io/en-US/documentation/scripting/ (英語) をお読みください。
FreeTyoe 2.6.4 では、新しい既定のグリフヒンティングインタプリタ (バージョン 38) が提供されるようになり、他のオペレーティングシステムに非常に近い表示を行なうようになっています。ですが、この仕組みは環境によっては 「よりぼやけた」 表示のように見えてしまう場合があります。以前の FreeType の描画方法に戻したい場合は、任意のレベル (システム全体、ユーザ単位、プログラム単位) で下記の環境変数を設定してください:
FREETYPE_PROPERTIES="truetype:interpreter-version=35"
Firefox および Chromium/Chrome に対応する Plasma のブラウザ統合を利用することで、 KDE のシステムツール経由でマルチメディアの状態を監視したり、ダウンロードを監視したりすることができるほか、 KDE Plasma デスクトップ内の
バーから、ブラウザにアクセスすることができるようになります。ブラウザ統合の機能は、相互に動作する下記の 2 種類のパーツから構成されています:
デスクトップ側の機能としては、システムパッケージ plasma-browser-integration をインストールすることで、お使いいただけるようになります。
ブラウザ側の機能としては、お使いのブラウザのアドオンストアでインストールする必要があります:
ただし、この機能は現在も開発途上のものであり、 openSUSE Leap 15.0 では早期バージョンとして公開されているものになります。
本章では、 openSUSE Leap 15.0 におけるセキュリティ機能の変更について説明しています。
以前のバージョンでは、 systemctl
のサブコマンド reload
と
restart
は似たような名前であるため、動作の違いに気付きにくくなってしまっていました:
systemctl reload apparmor は、全ての AppArmor プロファイルを再読み込みします (これは、 AppArmor のプロファイルを再読み込みさせる方法としては、現在も将来も適切な方法です) 。
systemctl restart apparmor は AppArmor をいったん停止させ、全てのプロファイルの読み込みを開放したあと、起動し直します。この方法では、既存のプロセスに対する制約が解除されてしまい、新しく起動したプロセスのみが制約の対象となってしまいます。
残念なことに systemd
では、各ユニット (サービスを記述するファイル) 内で
restart
の動作を変更することができず、解決できない仕組みになってしまっています。
そのため、 AppArmor 2.12 以降のバージョンでは systemctl stop apparmor を動作しないようにしました。この動作変更により、 systemctl restart apparmor でも、適切に AppArmor プロファイルを再読み込みできるようになっています。
逆に、全ての AppArmor プロファイルの読み込みを開放するために、 aa-teardown と呼ばれるコマンドを提供するようにしました。これは従来の systemctl stop apparmor の動作と同じ意味を持ちます。
詳しくは https://bugzilla.opensuse.org/show_bug.cgi?id=996520 と https://bugzilla.opensuse.org/show_bug.cgi?id=853019 をお読みください。
まずはメディア内の README
文書をお読みください。
また、特定のパッケージに対する詳細な変更点を RPM パッケージから表示するには、下記のコマンドを実行します:
rpm --changelog -qp FILENAME
.rpm
ファイル名
の箇所を RPM
の名前に置き換えてお使いください。
また、メディアのルートディレクトリには
ChangeLog
ファイルがあります。ここには、更新されたパッケージに対する全ての変更点が時系列順に並んでいます。
そのほか、 メディアの docu
ディレクトリには、さらに詳しい情報があります。
追加のドキュメンテーションや更新されたドキュメンテーションをお読みになりたい場合は、 https://doc.opensuse.org/ をご覧ください。
また、 openSUSE からの最新の製品ニュースについては、 https://www.opensuse.org をご覧ください。
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